「つつじのむすめ」    文*松谷みよこ  画*丸木俊  あかね書房



 大家松谷みよ子先生による民話の絵本。

 あるむすめが、山を五つ越えたところにある村の若者と恋に落ちました。彼女は夜中走って山を越えて

彼に会いに来ます。恋しさゆえに、毎夜毎夜。嵐の夜でさえも。

もち米を握って駆けてきて、若者の目の前で手を開いて見せると、米はこぶしの中でつきたてのもちと

なっている有様。

 その激しさに若者は娘を魔性の者ではないかと疑い、むすめを崖から突き落とし・・・・崖の下に真っ赤な

つつじの花が咲くという悲恋。

 ぼかした朱色と薄墨色が印象的な和風情緒あふれる絵本です。恋ごころを訴えるむすめの姿が切ない。

年齢を問わず、いろんな読み方の出来る作品ではないでしょうか。

 私はいちがいに若者が悪いとも言えない気がしました。彼女を魔性と思い込む若者の心の動きも

ていねいに描写され、むすめの恋情もどちらも伝わってくるんですよね。 

重ならない、二つの心。

 恋愛について色々考えさせてくれるきっかけになりそうな本です。


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