「きつねのおきゃくさま」 文*あまんきみこ 絵*ニ俣英五郎 サンリード その昔、教科書で「くるまのいろはそらのいろ」という名作を読んでから、あまんきみこ先生は好きなんです。 (主役のタクシー運転手の名は松井五郎!ん、どこかで?) この話も小さい頃読んだ記憶がありますが、絵本でみると印象が変わりますね。 空腹のきつねがやせたひよこに出会い、家に連れてきて食事を与え、住まわせます。もちろん太らせてから 食べてしまうために。無邪気なひよこの「しんせつなきつねおにいちゃんだ。」というふれこみで、あひる、うさぎも 彼の客人となります。 きつねは食べるために彼らを世話しているのに、彼を「しんせつで、やさしい、かみさまみたい」と素直に信じている三匹。 きつねも初めは「やめてくれったら、そんなせりふ」なんて言ってたけれど、褒められると嬉しくてぼうっとなって、 ついついがんばったりして。おおかみが襲ってきたときも、思わず勇ましく戦っちゃうんですね、彼らの為に。そして・・・・・ 「そのばん。きつねは、はずかしそうに わらって しんだ」 哀しいです。でも、いい男です。 キャラが活き活きしております。台詞回しとか素敵ですし、これも朗読するといいかも。 動物たちの表情も可愛い。背景になにげなく季節の昆虫や草花がちりばめられています。 私は「かみさまみたい」とうわさされたきつねが「うっとりして きぜつしそうになった」ときの、とろけそうな顔が好きです。 余談ですが、国語のテスト問題で、「なぜきつねははずかしそうに笑って死んだのですか?」という問いを見た記憶があります。 無粋だよ!そんなもん、言葉に出来るかい!・・・・失礼しました(汗) |
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